IIJ Technical WEEK 2013の講演を終えて(その1)

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【2015/08/04追記】IIJとACCESSは、2015年に株式会社ストラトスフィアについての合弁を発展的に解消し、両者で事業を承継しました。

てくろぐ「IIJ Technical WEEK 2013 (Twitterで中継しました)」でもお伝えしたとおり、今年も秋の恒例イベント「IIJ Technical WEEK」を開催しました。

GIOろぐではIIJ GIOに関連の深い4コマをピックアップして、講演者自身によるレポートを3回シリーズでお届けします。まず今回は、初日「Cloud Computing」のプログラムからSDN/OpenFlowの講演をどうぞ。

Stratosphereが提供するSDN/OpenFlow技術の現在と未来

株式会社ストラトスフィア 研究開発部長 白崎博生

皆さん初めまして。ストラトスフィアの白崎です。

今回はIIJ Technical WEEK 2013の初日にSDNについて話をさせていただく機会がありましたので、そのときの話をちょっと視点を変えて書いてみようと思います。

SDNというと

  • クラウド基盤で使うもの
  • データセンターの中で使うもの

と考えるのが一般的でしたし、昨年はそのように言われていました。
そのせいか、SDNは一部のネットワークエンジニアだけが使う技術であって、いまいちつかみどころがなく、とっつきにくいものというイメージがあります。
SDNは高い機材を使うテクノロジーというイメージもあります(実際、安くないのですが)。

我々もクラウド基盤向けの「Stratosphere SDN Platform」という製品を開発していますが、クラウド以外の場面にも目を向けて製品開発を行なっております。
本稿では、今後SDNが広まるだろうと考えている2つの分野について紹介させていただきます。SDNは身近なところでも使える技術であることを感じていただければと思います。

オンデマンドネットワークへの活用

1つめは、データセンター、クラウド、オンプレ間をユーザがオンデマンドでプロビジョニングできるシステムです。

ネットワーク間の接続には、ユーザとプロバイダそれぞれに異なったニーズがあると思います。

ユーザのニーズ

  • オフィスとクラウド間で仮想ホストのIPアドレスを変更せずにマイグレーションしたい
  • データセンターのサーバのリソースが足りなくなった時にクラウドに負荷を分散したい
  • 必要なときにすぐに接続したい。不要なときは切断したい
  • 安ければなおよい

プロバイダのニーズ

  • 接続設定を自動化して運用コストを減らしたい。オペミスをなくしたい
  • ユーザのトラフィックでインフラに過剰な負荷がかからないようにコントロールしたい
  • 偏っているトラフィックをコントロールしたい(平準化したい)
  • ユーザニーズは実現しつつもシステムの設計はシンプルを保ちたい

2つの拠点間のネットワークインフラは1つとは限らず、インターネットやMPLS、専用線、広域LANなど複数のネットワークをまたぐことは珍しくありません。ネットワークを識別するIDもずれているかもしれません。
そのため、それぞれのインフラに合わせてプロトコル変換やID変換、適切な経路選択を行う必要があります。

上記のニーズを手作業で実現するにはたいへんなコストがかかります。
しかし、たいへんな作業はソフトウェアの得意とするところです。
ただ、ソフトウェアだからといって何でもできるわけではありません。
双方のニーズが満足できる構成を考え、いくつかのパターンに落とすことができれば自動化することができると考えます。

まだ名前はないのですが、現在は「NaaSシステム」と呼んで開発を進めています。

オフィスネットワークへの活用

2つめの分野はオフィスネットワークです。ユーザは、「自分の席(フロアスイッチのポート)」や「無線AP(SSID)」を意識してネットワークを利用しています。
たとえば、

  • 自席のスイッチに接続しているケーブルを抜いて無線LANに接続する
  • 執務室から応接室に移動するときに接続するSSIDを変更する

接続マネージャツールを利用すると電波状況に合わせてSSIDを切り替えてくれるかもしれませんが、そこで端末のIPアドレスが変わってしまう場合は、ユーザがネットワークを意識する必要があります。
応接室から執務室のネットワークにVPNを張る場合はさらに意識が必要です。これは、ネットワークがユーザを意識していないためです。

我々は、スイッチやアクセスポイントがユーザの通信フローを識別し、ユーザが接続するべき仮想ネットワークに紐付けることができれば、ユーザが接続している物理ネットワークを意識する必要がなくなるシステムを開発しています。

仮想ネットワークの作り方にはVLANタグやVXLANトンネルなどがありますが、
どちらを使うかはシステムが自動的に判別します。
物理的に異なるネットワーク(有線・無線等)やL3的に分離されたネットワーク(リモートオフィス等)でも、同部署のユーザ間は同じL2ネットワークに接続されているように見えます。

3行でまとめると

  • ユーザのいるところに設定がついてくる
  • つながるべきユーザは同じネットワークでつながる
  • 物理ネットワークと仮想ネットワークを分離する

です。

こちらは「OmniSphere」という製品名で販売も行なっています。

SDNに関するお問い合せはストラトスフィアまでお気軽にどうぞ。

会場受付IIJ 白崎の講演の模様

(株式会社ストラトスフィア 白崎)

IIJ Technical WEEK 2013の講演資料は、IIJ企業サイトの「研究・開発ページ」でも公開しています。

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