こちら松江DCP。ただいま拡張工事中(第2回)

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IIJのコンテナ型DC「松江データセンターパーク(松江DCP)」拡張工事の様子をお伝えするこのシリーズ。
こんにちは。現地レポーターの三村です。

シリーズ第2回は、建物の建設工程その後と非常用発電機搬入の模様をお届けします。

工事スケジュール

とその前に、松江DCPの近況を少し報告したいと思います。
前回の記事で「松江も暑い」とお伝えしましたが、松江地方気象台の発表によると、8月の松江の最高気温は35.9℃だったようです。この暑さも9月に入ると落ち着き、最高気温が28℃に達しない日々が続いて過ごしやすくなりました。

気温が低くなると、松江DCPのITモジュールでは外気を取り入れて運転を始めます。中間期(春・秋)の一部時期に外気を活用してデータセンターの冷却を行う仕組みは従来からありましたが、松江DCPで採用した空調モジュールのように、通年で可能な限り外気を用いて冷却する手法は、少なくとも国内では先進的な取り組みでした。
それゆえ、外気の空気質の状態は重要です。松江DCPでは、専門家による空気質の調査を各所で定期的に実施し、データセンターの冷却に適していることを確認しています。

空気質調査の様子

続・建設工程

それではまず、建物がその後どうなったのかについてお伝えします。

松江DCPの中央通路

建物の外部はほぼ完成し足場も一部を除き取り外され、外観全体を見渡すことができるまでになりました。
日々工事を見守ってきましたが、鉄骨が組み上がり出してからはあっと言う間に建物はでき上がっていったという印象です。

上の写真で写っている「中央通路」が今回の拡張工事の目玉の1つです。
中央通路は、
(1) ITモジュールの搬入出(搬入出時にはこの通路をITモジュールが移動します!)
(2) 重要なインフラの収容
といった役割・機能を持っています。
ITモジュールはこの中央通路の両脇に並べられていきます。

次の写真は、そのITモジュール設置面に接近して撮影したもの(まだ捨コンの状態)と、中央通路をのぞきこんだものです。

ITモジュール設置面
中央通路内部

また、中央通路の屋根上には落雷対策用の「避雷導体」を取り付ける作業も行われていました。

避雷導体設置

地下タンク搬入

非常用発電機の燃料を貯蔵する地下タンクの搬入の様子です。

駐車中のタンク

まずは、タンクを吊上げるラフターさんが入場し、その後蒸気機関車のボイラーのような地下タンクが、トラックに積まれ入場しました。
その後、地下タンクは所定の位置まで移動し、ラフターさんに吊り上げられ、予め掘られていた穴に収められました。

高圧キュービクル搬入

続いては、一見大きなロッカーに見えるキュービクル受変電設備(以降、高圧キュービクル)の搬入の様子です。
と、いきなり「高圧キュービクル」と言われても何のことかさっぱり分からない方が大半だと思います。

高圧キュービクル自体は街中(ビルの屋上など)でも多く使われているので、もしかしたら写真を見たらピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、ここは松江DCP。
一般家庭の約600世帯分に匹敵する2,000kVAという大容量の電気を受電するため、その規模は、街中にあるものに比べ、遥かに大きいものになっています。

高圧キュービクル

ここで高圧キュービクルについて、簡単にご説明します。
高圧キュービクルは、一言で言えば金属の箱です。この金属の箱の中には、電力会社の変電所から供給される高い電圧を、データセンターで受電し使用するために必要な機器一式(変圧器、保護装置、計測装置など)が収められています。
なお、キュービクルのような電気設備、及び受電回線を含めた電気系統は冗長化されており、とても信頼性が高いシステム構成となっています。

非常用発電機搬入

全国の重機ファンの皆様、お待たせいたしました。
非常用発電機を搬入するために、220t級オールテレーンクレーン(独立した運転席を持ち、不整地道路から舗装道路までをオールマイティに走行できるクレーン)さんがやってきました。
見出しを「非常用発電機搬入」としましたが、実は220t級クレーンさんはそれ自身が大掛かりな搬入作業を伴いますので、まずはそのお話から始めさせて頂きます。
220t級クレーンさんはその大きさが故に、

  1. 公道を走行するのに許可が必要
  2. 公道走行時は先導車が必要かつ走行時間は夜間に限定
  3. 現地での組み立て(解体)が必要

といったかなり厳しい制約があります。
実際に非常用発電機を搬入する際にも、自身の組立のために夜な夜な前日入りとなりました。
到着後はラフターさんの力を借りて、分解されていた各パーツの組立作業が行われました。

ラフターと220tクレーン_ナンバー

ここで、工事現場の担当者さんに聞いた220t級クレーンさんのひみつをこっそりお教えします。

ひみつその1

「最大地上揚程 68m」
220tの重さのものを高さ68mまで持ち上げる能力があります。

ひみつその2

「価格 2億8千万円(税別)」
超高級車です。赤いスポーツカーが何台も買えてしまいます。
ちなみに、車体部分はあのメルセデス・ベンツ製だそうです。
(スペックシートによると車体側エンジンはV型8気筒直接噴射式インタークーラ付ターボディーゼルエンジンで排気量は15.928L、530馬力です。じぇじぇ!ですね。)

ひみつその3

「大きいけどとっても静か」
車体もエンジンもとてつもなく大きいですが、このラフターさんは国交省から「低騒音型」に指定されており、作業中もとても静かでした(私は豪快なエンジン音を期待していたのですが聞けず少し残念でした)。

220tクレーン

さて、非常用発電機から話題が少しずれてしまいましたが、220t級クレーンさん到着の翌日から、1日1台のペースで計2台の非常用発電機の搬入が行われました。
今回搬入された非常用発電機は国内メーカが製造したもので、もちろん松江DCPの全電力需要を満たす電力を発電する能力があります。

非常用発電機

この非常用発電機は名前の通り、非常時(=停電時)に使用する設備です。
台風や地震などの災害等で、電力会社からの電力供給がストップした際に活躍します。
松江DCPでは今回搬入の様子をお伝えした地下タンクに、この非常用発電機を24時間以上稼働できる燃料を備蓄しており、有事に備えています。

また、日本の商用電力供給は世界トップクラスの安定性を誇っており、松江DCPでは非常用発電機が動作するような事態には、未だ見舞われていません。
一方で、いざというときの「非常用」発電機ですから、非常時にきちんと稼働するように、日々の点検やメンテナンスは欠かさずに行うことが重要です。

拡張工事も大詰め、仕上げの段階に入りつつあります。
次回は禁断の建屋内部や、感動の拡張工事竣工の様子をお伝えする予定です。
お楽しみに!

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(データセンターサービス部 三村)

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