自治体クラウドも2nd stepへ

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皆さん初めまして。マーケティング本部 新規ビジネス開発部の高地です。
今回は、まだまだ耳慣れない言葉であろう「自治体クラウド」とその今後について、できるだけ分かりやすくご紹介したいと思います。

書籍『自治体クラウド』本記事の執筆者である高地の著書『自治体クラウド』を10名様にプレゼントします。
[共著]伊藤 元規・榎並 利博・高地 圭輔
[出版社]学陽書房
7/4:ご応募の受付は終了しました。当選された方へはメールでご連絡いたします。

自治体クラウドとは?

実は、自治体クラウドという言葉に明確な定義があるわけではありませんが、
(1)システムの所有から利用への変革
(2)共同利用や集約化による割り勘の推進
あたりが、自治体クラウドの最低限の要素と言えると思います。

クラウドが注目される背景

なぜ自治体クラウドが注目されるのでしょうか。

第一には、ICTに投入しているヒトやカネの負担を軽減したいからです。自治体の支出総額に対するICTコストの削減はなかなか進んでいません。職員の人材育成が追い付かず、馴染みのベンダに頼り切りになっているところもあります。諸外国でも政府の方針としてクラウド・ファースト・ポリシーが打ち出されていますが、旧態依然としたやり方を変える時期に来ているのです。

第二には、業務継続性の向上のためです。2011年に起きた東日本大震災では庁内に設置されたサーバが津波で水没しました。東南海地震への備えとして、クラウドを活用したシステムの分散運用やデータの分散保管への関心が高まっています。これらを背景に自治体でもクラウドの利用が進展してきました。

クラウド化に適したシステムとは?

自治体では、Webやメールなどの公開系システム、会計や文書管理などの内部事務系のシステム、住民情報、税や福祉事務などに関する基幹系システムを運用しています。

このうち、最もクラウド化に適しているのは公開系システム、次に内部事務系システムです。IIJのお客様の事例にも、これらについては、コスト効率に優れたパブリッククラウドであるIIJ GIOをご利用いただいているものがあります。

一方、住民の個人情報を預かる基幹系システムについては、セキュリティへの配慮から、現状ではプライベートクラウドでの運用が一般的です。こうなると単独の取り組みではコスト削減が難しいケースもあるため、共同利用が有効になります。

自治体クラウドの今後

共同利用については、中小規模の自治体が先行しています。国の調査では、基幹系システムの共同利用を実施中又は計画中の自治体は全体の2割程度ですが、その7割弱が町村です。もともとシステム数が少なく、カスタマイズも限定的なので共同利用がしやすいのです。
一方、都市部の自治体はカスタマイズを長年積み重ねたシステムを使用し、組織も大きく複雑ですので、システムの在り方を変えることには様々な障害があります。しかし、馴染みのベンダに頼っているだけでは効率化はできません。自治体クラウドの1st stepは中小規模の自治体の共同化と一部のプライベートクラウド化が中心となるとしても、2nd stepでは偏りのない効率化を目指すべきでしょう。

では、自治体クラウドの2nd stepとしてどのような取り組みが考えられるでしょうか。IIJが主催して2013年5月30日に開催した初めての自治体向けセミナー「自治体ICT施策の今後~オープンイノベーションが実現する新しい電子行政~」においてご紹介させていただきましたが、サーバやネットワークなどの基盤部分をアプリケーションと分離して調達し、都道府県単位など広域で共同化することです。基盤の上でアプリケーションを共同化することも可能ですし、基盤部分だけの共同利用を行うこともできます。IIJの試算では、基盤部分をクラウド化すれば、4年間の運用コストは従来の半額程度となることが見込まれています。また、広域での共同化は、セキュリティの底上げにも役立つはずです。

IIJ主催自治体向けセミナーの模様

IIJが主催した自治体向けセミナー(2013年5月30日)の模様

マイナンバー法への対応もチャンスに

2013年5月24日には、マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が成立しました。今後、システム改修などを行うこととなりますが、各自治体が個別に対応するのは大変です。全国一律に始まるマイナンバー対応が、自治体が足並みを揃えてクラウド化を進める上での一里塚となるのではないかと思います。

自治体クラウドは、自治体の皆様にとっては挑戦ですが、大きなチャンスでもあると思います。効率化で生み出したヒトやカネを、オープンデータなど「攻め」の行政に振り向けることができるからです。IIJとしてもこのチャンスを活かすべく、自治体のお客様と課題を共有させていただき、10月に開催予定の第2回の自治体向けセミナーの場などで一緒に検討させていただければ幸いです。

(新規ビジネス開発部 高地)

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