連載中国:第2回 中国におけるクラウド事情

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3回にわたり、中国より最新情報をお伝えしています。


政府の高い志と固い決心:「雲計算」に託された使命
– クラウドコンピューティングにまつわる政策

雲計算中国語でクラウドコンピューティングを何と言うかご存じですか?

答えは「雲計算」。日本風に発音すると「ユェンジースァン」です。

中国における「雲計算(クラウドコンピューティング)」は、新世代情報技術産業の1つとして「次世代情報通信インフラ構築」と並び、国民経済・社会発展第12次5か年計画綱要(以下、5か年計画)に記されており、2015年までに重点的に発展させる戦略的新興産業として位置づけられております。

具体的には、IaaS/PaaS/SaaSの推進、仮想化・データ分散技術の確立、そしてクラウドコンピューティング業界団体の立ち上げに注力すべきとの記述があります。

中国地図同時に、北京・上海・深圳・杭州・無錫の5都市がクラウドコンピューティングのモデル地域として指定されました。2011年10月時点で進行中の計15個のパイロットプロジェクト向けに、100億円規模の補助金予算が執行されており、政府の本気度がうかがえます。

また、「戦略的新興産業がもたらす付加価値のGDPに占める割合を8%前後に到達させる」ことが目標となっております。「雲計算」に必要な事前のインフラ投資や高額の補助金施策より、内需拡大の牽引役を担ってほしいという思いがあるのでしょう。

さらに、「雲計算」計画の前提条件である「次世代情報通信インフラ構築」に対し、2014年までに約1兆8千万円以上投じるとの計画がなされております。やり方は当時ほど乱暴ではありませんが、リーマンショックの荒波を56兆円に及ぶ大型景気刺激対策で乗り切ったことと同様の効果が連想させられます。「雲計算」は政府に大いに重要視されおり、5か年計画期間内において、国運をかけたほどの国家プロジェクトであるといっても過言ではありません。

中国のクラウドサービスは闇雲?理想と現実のギャップ
– 立ち上げ期「雲計算」の現状と問題点

5か年計画が発表されると一夜にして「雲計算」ベンダーが乱立し、中国のクラウドコンピューティング事業が一斉にスタートを切りました。

2012年末現在、中国では多くのクラウドデータセンターが立ち上げられております。

主なクラウドデータセンター
(2012年12月 IIJ Global China調べ)
北京(祥雲プロジェクト) 建設費用6,000億円程度、予想産業規模は年商2.4兆円
上海(雲海計画) 建設費用不詳、予想産業規模は年商1.2兆円
成都(中西部雲計算センター) 建設費用不詳、予想産業規模は年間4.5兆円
無錫(雲谷) 建設費用140億円程度
杭州(雲計算開発センター) H3Cの本部 詳細情報不詳
深圳市(珠川デルタ計算センター) 詳細情報不詳
仏山(広東雲計算センター) 詳細情報不詳

多額の補助金のおかげで各地に数多くの“ハコモノiDC”が建設されているのに対し、現在中国国内のデータセンターでクラウドサービスを提供しているローカル企業は数多くありません。

次々と建設されていく“ハコモノiDC”ですが、今後は建設されたiDCを「いかに活用していくのか?」が注目されます。中国のローカル企業がこれからクラウドサービスを提供していくには、サーバやストレージの仮想化や監視ノウハウを保有していることが重要です。
工業情報化部の計画※によれば、2015年以降は中国におけるクラウドコンピューティングサービスが成熟期をむかえます。この計画の実現に向けて、各社が切磋琢磨し、より優れたサービスを提供することが必須と思われます。

※工業情報化部は、中国におけるクラウドの発展を下記3つの段階に分けて考えています。

  • 準備期(2007~2010年):商業化事案がなく、ほとんどが実験モデルケースの導入
  • 立ち上げ期(2010~2015年):今はこの時期。クラウドコンピューティングサービスに必要なインフラ整備に注力している
  • 成熟期(2015年~):様々なベンダーが完成度の高いクラウドサービスを提供、情報化社会の中でクラウドサービスが不可欠となる

そんな中、私達IIJはイニシアティブを発揮し、IIJ GIO CHINAサービスをいち早く提供開始しました。

続きは次回。。

(IIJ Global Solutions China 李)


次回は、「中国でのクラウドサービス展開」をお届けします。

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