広域負荷分散サービスとIIJ GIOで止まらないWebサイトを(前編)

カテゴリー: サービス情報, 技術情報   パーマリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加

みなさん、初めまして。ソリューションインテグレーション部の菱木です。普段はIIJ GIOのプリセールスやクラウドマイグレーション等を担当しています。
今回から2回にわたって、クラウドとも親和性の高い「IIJ広域負荷分散サービス」についてご紹介したいと思います。どんなサービス?というところから通信の仕組みやクラウドサービスと組み合わせた構成例まで、なるべく噛み砕いて説明します。

IIJ広域負荷分散サービスってどんなサービス?

IIJのサービスでもコンテンツ配信のカテゴリに属しているもので、閲覧不可にならない、可用性・信頼性の高いWebサイトを構築できるサービスです。

  • Webサーバを監視しながら、 適切なサーバにユーザアクセスをDNS的に分散します
  • BCP(Business continuity plan:事業継続計画)におけるITのDR(Disaster Recovery:災害復旧)にも有効です

サービスイメージ

IIJ広域負荷分散サービスのサービスイメージを見てみましょう。

サービスイメージ

IIJ広域負荷分散サービスのサービスイメージ

パッと見では何が良いのかわからないので分解して説明します。

通常は、下のようにシステムの1つのロケーション(以下、データセンター)の中でロードバランサ(LB)もしくはそれに類する機能を使ってWebサーバの負荷分散と冗長化を実現していると思います。

通常のWebサイト

冗長化構成の取られているWebシステム

この構成では、データセンターが正常稼働している間はWebサーバ単体での障害が発生してもサービスを継続できます。ただし、大規模災害などで万が一データセンター自体に障害が発生した場合、せっかくの冗長構成も役に立ちません。

IIJ広域負荷分散サービスは、このデータセンター内の冗長構成を更に拡大して、データセンター間で負荷分散と冗長化を実現するサービスです。データセンター間での冗長構成をとることで災害などによりデータセンターそのものがダウンしてもサービスを継続させることが可能になるわけです。

DC間の冗長構成

データセンター間での負荷分散と冗長化を実現

IIJ広域負荷分散サービスを入れるとどんな通信になる?

次は実際の通信イメージです。

まず、IIJ広域負荷分散サービスを使わない例からご説明します。

通常のDNSで行う応答や負荷分散手法であるDNSラウンドロビン(DNSに複数のAレコードを設定してWebサーバへのアクセスを分散する方式)では、「サーバが死んでいてもDNS側はそれを知ることができない」ため、ダウンしているサーバのIPアドレスにも当たり前のごとく応答してしまいます。
DNSの設定変更をしなければ閲覧者からはWebサイトへアクセスできたり、できなかったりという事象が発生するわけです。

通常のDNSラウンドロビン

通常のDNSラウンドロビン

次にIIJ広域負荷分散サービスを使った例。

負荷分散と冗長化というとロードバランサの通信イメージが強いですが、実際はDNSクエリによる応答(問い合わせに対してマッピングされたIPアドレスを応答)でサーバへの通信を分散させる仕組みをとっています。

通常のDNS、DNSラウンドロビンと違うところは、「監視の結果、通信可能なマッピングされたIPアドレスを応答」してくれることにあります。

IIJ広域負荷分散サービスのラウンドロビン

IIJ広域負荷分散サービスのラウンドロビン(Active/Active構成)

IIJ広域負荷分散サービスでは、サービス機器が応答するIP(Webサーバ)を監視しており、ダウンしているものは応答対象から自動で削除することから常に通信可能なIPアドレスだけ応答することができるのです。(ちなみに復旧後に応答対象に戻すことは自動でも手動でも行うことができます)

監視によって通信可能な応答結果(IPアドレス)をコントロールできるので、もちろんActive/Standbyの構成を取ることもできます。(設定画面内でグループ管理ができます)

Active-Standbyでの挙動

IIJ広域負荷分散サービスの挙動(Active/Standby構成で利用の場合)

なお、負荷分散方式は、ラウンドロビン(均等振り分け)とレシオ(あらかじめ指定した割合に応じて振り分け)が選択できるので、同じグループ内に複数Webサイトがある場合に回線やサーバ数に応じてアクセス数をコントロールすることができます。

Active/Standby構成と負荷分散方式を組み合わせることで、柔軟な構成を構築することが可能です。

IIJ広域負荷分散サービスの利用方法

設定の変更や管理は、IIJサービスオンライン経由で専用のWeb UIにアクセスして行います。IIJサービスオンラインは、IIJの法人サービスをご契約のお客様の専用サイトで、契約や設定・管理にご利用いただけます。

いくつか画面イメージをご紹介します。

まずは設定画面ですが、全部日本語で説明文付きで表示されているので設定変更でも困ることがないでしょう。
上でご紹介したActive/Standby構成についても、それぞれのグループ内でどのように分散するのか?サーバが復旧した時に分散対象には自動で切り戻すのか?といった細かい処理が指定できます。

設定画面イメージ

続いて、確認画面。

グルーピングや稼働状態をグラフィカルなUIで表現しています。
監視・管理機能も充実しており、操作履歴や監視失敗時の通知機能も管理・制御できます。

確認画面イメージ

やっぱりお高いんじゃないの?

これだけ高機能で簡単に利用できるサービスなので料金が高いと思われがちですが、IIJのサポートがついて月額5万円~と、とってもリーズナブルな価格になっており気軽にご利用いただけると思います。

後編では、クラウドサービス「IIJ GIO」とIIJ広域負荷分散サービスを組み合わせた活用例をご紹介します。(後編に続きます

お知らせ:
IIJ広域負荷分散サービスは、2015年3月16日をもって新規お申し込みの受付を終了いたしました。後継サービスとして「DNSアウトソースサービス サイトフェイルオーバーオプション」を提供しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

(ソリューションインテグレーション部 菱木)

コメントは受け付けていません。