先日(6月1日)、IIJ GIOサービスの新メニューラインとして「IIJ GIOストレージサービス FV/S」(以下、FV/S)が正式リリースされました。
FV/SはREST API型のクラウドストレージサービスで、インターネット経由でアプリケーションを介して利用できます。
この度、2月24日から期間限定で実施したβ版試用プログラムの利用ユーザ様を訪問し、本サービスに対する率直な意見・感想をいただきましたのでご紹介します。
訪問ユーザ様:エヌエスソフト株式会社(東洋バルブ製造所グループ)
エヌエスソフト様は、電子ファイリング業務を専門としたソフトメーカーです。
ファイリングシステムのほか、プラント向けメンテナンス支援システムや一括出図・配布システムなどを提供されています。
β版試用プログラムの利用ユーザ様であり、正式版利用の正式オファーもいただいています。

左から、システム技術部 于様 / 代表取締役社長 井内様 / 四国支社長 生永様
「FV/Sは国内SaaSのインフラ基盤になるか?」
ポイント1. 自社ソフトウェアのクラウドサービス化
当社は大規模企業向け図面閲覧・検索システム「Needsfile」を開発していますが、中小企業向けにも幅広く展開できるよう、クラウドサービス化を検討しています。
サービスインフラを所持して維持していくには、初期投資やシステム運用負荷を考慮する必要があり、外部クラウドサービス(HaaS/IaaS)を利用する方がメリットがあると考えました。
ポイント2. REST API型が適した用途
サービスを提供するお客様ごとにサーバ及びストレージを構成した場合、インフラを意識したアプリケーション設計、データ管理が必要となります。
また、中小企業向けでも図面閲覧・検索システムは最低10万ファイルを超えるファイル数となるため、単にNASで構成して運用するには難しいのです。
対象図版データを更新・置換する際に1つのURIを意識すればよいREST API型であれば、設計もメンテナンスも容易になります。
ポイント3. FV/Sはシンプルな機能で構成
REST API型のクラウドストレージサービスは、FV/S以外にも海外クラウドサービスを中心に提供されています。FV/Sの基本API群はAmazon S3とほぼ同様です。
しかし、FV/Sでは利用頻度の少ない機能を削っているため、ヘッダ情報などを少なく扱うことができます。そのため、開発が容易で、ライブラリも作りやすかったです。
ポイント4. ビジネスモデルを組み立てやすい料金体系
コストを予め把握できる方が、サービスのビジネスモデルを組み立てやすいです。
FV/Sの料金体系はストレージ領域の容量枠に応じた月額固定料金で、データ転送量やリクエスト数など複合的な要素による従量課金をされないところもポイントです。
ポイント5. 国産と日本語サポート
日本国内を起点としたビジネスが中心となると、国産サービスで構成した方が安心感があります。ドキュメント類やサービスサポート窓口が日本語対応しているだけでも違います。
IIJはクラウドでありながら人が見える(営業担当を筆頭に)クラウドサービスを提供しているので、万が一の際も安心です。
このほかにも、他社クラウドサービスとの連携の期待などをいただいています。
対象データのタイプや保存要件、複数リージョン運用を考慮していきますと、他社クラウドサービスとの連携も視野に入れる必要が出てきます(ストレージサービスに限らず)。
IIJでは、IIJ GIOサービスを中心に国内SaaSのインフラ基盤を提供することで、ITによる新ビジネスモデルや新サービスの立ち上げの一助となるよう、今後も技術開発に励んでいきたいと考えています。今後とも動向にご期待ください。
(GIOマーケティング部 品田)